注文住宅を建てる際、地盤調査を行ったものの、「結果の見方が分からない」「地盤改良が必要と言われたけれど、本当に必要なの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
我が家でも2020年5月末に地盤調査を実施し、その結果を受け取りました。
結果が出るまでの期間は、1週間もかからなかったと思います。
当初は地盤に大きな問題はないのではないかと思っていましたが、ハウスメーカーから説明を受けた結果、地盤改良工事が必要との判断でした。
予定していなかった追加費用が発生することになり、正直なところショックでした。
この記事では、実際に受け取った地盤調査報告書と地盤判定書を紹介しながら、地盤調査の結果の見方や、地盤改良が必要になった理由を解説します。
- 地盤調査の結果は何日くらいで分かるのか
- 地盤調査報告書には何が書かれているのか
- 地盤調査の測定データはどう見ればよいのか
- 自沈層とは何か
- 地盤改良が必要と判断される理由
- 地盤改良が必要になった場合の対応
これから地盤調査を受ける方や、調査結果を受け取った方の参考になれば幸いです。
地盤調査の結果はどうだった?我が家は地盤改良が必要に

我が家では、2020年5月末に地盤調査を行いました。
当日は自分で立ち会うことができなかったため、実家の両親に対応をお願いしました。
地盤調査では、施主が作業中ずっと立ち会わなければならないとは限りません。立ち会いの必要性については、事前に住宅会社へ確認するとよいでしょう。
当時は新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言が解除された頃でした。
その後、実家に帰った際には、地盤改良は必要ないのではないかという話を聞いていたため、少し安心していました。
しかし、ハウスメーカーの営業担当者から、住宅ローンと地盤調査結果について説明したいので打ち合わせをしたいという連絡がありました。
そこで説明を受けたところ、地盤調査の結果、地盤改良工事が必要との判断でした。
問題ないと思っていた分、ショックは大きかったです。
できるだけ住宅の建築費用を抑えたいと考えていたため、追加費用が発生することも気になりました。
ただし、地盤改良が必要と判断された理由については、ハウスメーカーから地盤調査報告書を使って説明してもらうことができました。
ここからは、実際の報告書の内容を紹介します。
地盤調査報告書とは?記載されている8つの項目

地盤調査報告書とは、調査した土地の地盤の状態や測定結果などをまとめた資料です。
我が家では、当時「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていた方法で地盤調査を実施しました。
現在は一般に「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」という名称が使われています。
測定箇所は全部で5か所でした。
我が家の地盤調査報告書には、次の8つの項目が記載されていました。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| ① 調査概要 | 調査日時・場所・調査方法など |
| ② 試験方法 | 地盤調査の具体的な方法 |
| ③ 調査位置案内図 | 調査した土地の位置 |
| ④ 測定位置図 | 敷地内の測定地点 |
| ⑤ 予備チェックリスト | 地形や周辺環境などの確認事項 |
| ⑥ データの見方 | 測定記録の読み方 |
| ⑦ 試験の記録 | 測定地点ごとの調査データ |
| ⑧ 推定断面図 | 各地点の地盤の状態を比較する資料 |
このほか、現場の記録写真も添付されていました。
地盤調査の目的や費用、実施するタイミングについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
地盤調査はいつ行う?費用・方法・地盤改良までの流れを実体験で解説
地盤調査報告書の見方を実際の資料で解説
ここからは、我が家の地盤調査報告書に記載されていた内容を順番に紹介します。
専門的な項目もありますが、施主として特に確認したいポイントもあわせて解説します。
① 調査概要|いつ・どこで・どのような調査をしたか
地盤調査報告書の最初には、調査の概要が記載されていました。
具体的には、次のような項目です。
- 調査件名
- 調査場所
- 調査期間・天候
- 立会者
- 調査目的
- 調査方法
- 使用機械
- 使用算式
- 調査会社・調査員
- 特記事項
まずは、調査した場所や調査方法が正しく記載されているかを確認しましょう。
特に、建築予定地と調査対象地が一致しているかは基本的な確認ポイントです。
② スウェーデン式サウンディング試験方法|どのように測定したか
我が家の報告書には、スウェーデン式サウンディング試験の方法について説明がありました。
この試験は、先端にスクリュー状の部品を取り付けたロッドを地面に貫入させ、荷重や回転数などから地盤の抵抗を調べる方法です。
報告書には、ロッドやスクリューポイントの設置、荷重のかけ方、回転数の記録方法などが記載されていました。

専門的な内容のため、すべてを理解する必要はありませんが、どのような方法で地盤の状態を調べたのかを知ることは大切です。
③ 調査位置案内図|調査した土地の場所
調査位置案内図には、地盤調査を実施した土地の場所が示されています。
住宅の建築予定地が正しく記載されているか確認する項目です。
④ 測定位置図|敷地のどこを調べたか
測定位置図には、敷地内で地盤調査を行った地点が示されています。
我が家の場合は5か所で調査を実施しました。


同じ敷地内でも、場所によって地盤の状態が異なる場合があります。
そのため、建物の配置に対してどこを測定したのか確認することが重要です。
測定地点数は建物の形状や地盤条件などによって異なります。
⑤ 予備チェックリスト|土地の周辺環境や履歴
予備チェックリストには、地盤調査を行う土地や周辺環境についての確認事項が記載されていました。
主な項目は次のとおりです。
- 地形・地層
- 周辺の状況
- 造成状況
- 敷地の状況
- 危険予知
- 特記事項
地盤の状態を考えるうえでは、測定結果だけでなく、土地の成り立ちや周辺環境も重要な情報になります。
我が家の土地は、もともと畑として使われていました。
ただし、以前畑だったという理由だけで地盤が弱いと断定することはできません。
実際の地盤の評価には、調査結果などをもとにした専門的な判断が必要です。
⑥ 地盤調査データの見方|荷重・回転数・深さを確認

地盤調査報告書には、測定データの見方を説明したページがありました。
主な項目として、次のようなものがあります。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 貫入深さ | 地表からどのくらいの深さを調査したか |
| 荷重 | ロッドを地中に貫入させる際に加えた荷重 |
| 半回転数 | ロッドを貫入させるために必要だった回転数 |
| 推定土質 | 測定結果などから推定した土の種類 |
| 貫入状況 | 自沈や回転貫入などの状況 |
| 推定許容支持力度 | 試験結果などから推定される地盤の支持性能に関する指標 |
特に重要なのは、地盤のどの深さに、どのような状態の層があるのかという点です。
地表付近だけでなく、深さによって地盤の状態が変わる場合があります。
自沈層とは?
地盤調査の結果でよく出てくる言葉の一つが「自沈層」です。
自沈とは、SWS試験でロッドを回転させなくても、載せた荷重によって地中へ沈んでいく状態を指します。
自沈が見られる地盤は、比較的小さな荷重でも貫入する状態であるため、地盤の評価で注意が必要になることがあります。
ただし、自沈層があるからといって、必ず地盤改良が必要になるわけではありません。
自沈層の深さや厚さ、分布、建物の重量や基礎の設計などを踏まえて判断されます。
⑦ スウェーデン式サウンディング試験の記録|測定地点ごとの結果

この資料には、各測定地点で調査した深さや荷重、回転数などが記録されています。
我が家では5か所を測定したため、それぞれの地点の調査結果を確認できました。
地盤の状態は敷地内で必ずしも均一ではありません。
そのため、1か所だけを見るのではなく、複数地点の測定結果を比較することが重要です。
⑧ 推定断面図|地盤の状態をまとめて比較

推定断面図は、複数の測定地点の結果をまとめて、地盤の状態を把握しやすくした資料です。
我が家の場合は、測定地点1~5の結果がまとめられていました。
地盤の状態を確認する際は、次のような点に注目するとよいでしょう。
- 地表からどのくらいの深さまで軟弱な層があるか
- 測定地点によって地盤の状態に違いがあるか
- 自沈層がどの範囲に分布しているか
- 深さによって地盤の抵抗がどのように変化するか
ただし、推定断面図は測定結果などから地中の状態を推定した資料です。
図だけを見て施主が地盤改良の必要性を判断するのではなく、専門家による評価とあわせて確認することが大切です。
地盤判定書の結果|我が家が地盤改良を必要と判断された理由
地盤調査報告書の中でも、施主として特に気になるのが最終的な地盤の判定結果です。
我が家では、地盤判定書に地盤補強工事が適当であるという内容が記載されていました。

実際の地盤判定書には何が書かれていた?
地盤判定書では、建物に直接影響する表層部分に、Wsw750N以下で自沈する層を含む緩い地盤が、連続的かつ不均一に存在していると指摘されていました。
また、地盤のバランスが悪く、不安定な状態であると評価されていました。
そのため、将来的な不同沈下の可能性を考慮し、地盤補強工事によって建物の長期的な安定を確保することが適当である、という判定でした。
つまり、我が家の場合は、建物の下に軟弱な層があり、場所によって地盤の状態にばらつきがあるため、地盤改良が必要と判断されたということです。
Wsw750N以下とはどういう意味?
Wswは、SWS試験でロッドに加える荷重を表す記号です。
判定書に記載されていた「Wsw750N以下」という表現は、750N以下の荷重で自沈する状態が確認されたことを示しています。
荷重が小さくてもロッドが沈むということは、その部分の地盤の抵抗が比較的小さいことを示す情報の一つになります。
ただし、この数値だけで住宅の安全性や地盤改良の必要性が決まるわけではありません。
地盤の深さや層の厚さ、建物の設計なども含めて判断する必要があります。
不同沈下とは?
不同沈下とは、建物の下の地盤が均等に沈まず、一部分がほかの部分より大きく沈むことです。
不同沈下が起こると、住宅が傾いたり、壁にひび割れが発生したり、ドアや窓の開閉に不具合が生じたりする可能性があります。
我が家では、地盤の状態にばらつきがあることなどから、将来的な不同沈下の可能性が指摘されました。
そのため、地盤補強工事が必要と判断されたようです。
地盤調査の結果が悪いと必ず地盤改良が必要?
地盤調査で軟弱な層が見つかったとしても、必ず地盤改良が必要になるとは限りません。
地盤改良の必要性は、地盤の状態だけでなく、建物の重量や形状、基礎の設計などを踏まえて判断されます。
我が家では、地盤判定書で不同沈下の可能性が指摘され、地盤補強工事が適当と判断されました。
地盤改良が必要と言われた場合は、次の点を住宅会社に確認することをおすすめします。
- どの測定結果が問題になっているのか
- 軟弱な層はどの深さまであるのか
- 地盤のばらつきはどの程度あるのか
- なぜ地盤改良が必要と判断されたのか
- どのような地盤改良工法を予定しているのか
- 地盤改良費用はいくらかかるのか
- 工事後の保証内容はどうなっているのか
専門的な内容で分かりにくい場合は、報告書の該当箇所を示してもらいながら説明を受けると理解しやすくなります。
我が家の地盤は約2mまで軟弱な状態だった
我が家の場合、説明を受けた内容では、地表から約2m程度までの地盤の状態がよくなかったようです。
もともと畑だった土地なので、当時は地盤が柔らかいという説明にも納得する部分がありました。
ただし、土地が以前畑だったことだけで地盤が軟弱だと判断できるわけではありません。
今回の判断は、実際の地盤調査結果と地盤判定書に基づくものです。
地盤改良が必要になったことは残念でしたが、住宅を建てる前に地盤の状態を把握できたことは重要だったと思います。
地盤改良工事の見積もりは4社から提案された
地盤調査の結果、我が家では地盤改良工事が必要になりました。
ハウスメーカーでは、事前に地盤改良工事業者から見積もりを取ってくれていたようで、4社から提案を受けました。
4社のうち、3社は同じ工法で、1社は異なる工法でした。
同じ工法の業者については、見積もり金額の安いものを中心に提案してもらいました。
その後、工法や費用を比較し、最終的には柱状改良工法を選びました。
当時の見積もり金額は、約58万円、61万円、64万円、78万円でした。
我が家では、約58万円の柱状改良工事を選択しています。
これは2020年当時の我が家の見積もりであり、現在の一般的な相場を示すものではありません。
地盤改良費用は、土地の条件や建物の規模、改良する深さ、採用する工法などによって異なります。
地盤改良工事が必要になった場合は、金額だけでなく、工法の適用条件や施工内容、保証内容なども確認することが大切です。
地盤調査の結果についてよくある質問
地盤調査の結果は何日くらいで分かりますか?
調査方法や依頼先によって異なります。我が家では、地盤調査を実施してから1週間以内に結果が出たと記憶しています。正式な報告書の提出時期は住宅会社に確認してください。
地盤調査の結果は施主も確認できますか?
我が家では、ハウスメーカーから地盤調査報告書と地盤判定書を使って説明を受けました。地盤調査の結果について疑問がある場合は、報告書を見ながら説明してもらうとよいでしょう。
地盤調査で自沈層があると危険ですか?
自沈層は地盤の評価で注意が必要になる情報の一つですが、自沈層があるだけで直ちに危険と判断できるわけではありません。地盤の深さや分布、建物の設計などを踏まえた評価が必要です。
地盤調査の結果が悪かったら家を建てられませんか?
地盤の状態に応じた地盤改良や基礎の設計などを検討することで、建築できる場合があります。ただし、具体的な対応方法は土地の条件や建物の設計によって異なります。
地盤改良費用は必ず発生しますか?
必ず発生するわけではありません。地盤調査の結果と建物の設計などを踏まえて、地盤改良が必要かどうかを判断します。我が家では地盤改良が必要と判断され、別途工事費用が発生しました。
まとめ|地盤調査の結果は報告書と判定理由を確認しよう
我が家では2020年5月末に地盤調査を行い、1週間以内に結果が出ました。
地盤調査の結果、建物の下に自沈層を含む軟弱な地盤があり、地盤の状態にもばらつきがあると判断されました。
そのため、将来的な不同沈下を防ぐために、地盤改良工事が必要との判定でした。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 我が家の地盤調査は5か所で実施した
- 地盤調査報告書には測定記録や推定断面図などが掲載されていた
- 地盤判定書では自沈層と地盤のばらつきが指摘された
- 不同沈下の可能性を考慮して地盤改良が必要と判断された
- 地盤改良工事について4社の見積もりを比較した
地盤調査の結果が悪いと言われると、追加費用のこともあり不安になると思います。
我が家も最初はショックでした。
しかし、地盤調査報告書を確認し、なぜ地盤改良が必要なのか説明を受けたことで、工事の必要性を理解することができました。
地盤調査の結果を受け取ったら、最終的な判定だけでなく、その理由も確認することが大切です。
これから注文住宅を建てる方や、地盤調査の結果を待っている方の参考になれば幸いです。